何年前でしょうか。
「俺はまだ本気出していないだけ」というタイトルの
小説を読んだことがありました。
主人公は冴えない中年の男性。
世の中のあらゆることに不満を抱いていて、
斜に構えたような性格です。
彼は自分が十分な成果を挙げられていないのは
「まだ本気出していないだけ」だから。
そうおもっています。
ふとしたことがきっかけで彼は本気を出すことになるのですが・・・
小説の登場人物とはいえ、実際にこんな人は沢山います。
(そういう私もどちらかといえば”こんな人”側の人間です)
・まだ本気を出していない
・いつかやろうとおもっている
・やればできる
こういったフレーズを使うと、自分に余裕があるように感じて
気持ち的には楽になります。
まだ、大丈夫なんだって、そう思えるんですよね。
でも、それは幻想であり、ただの現実逃避・・・なんですよね。
きっと、心の底では誰だってわかっているはずなんです。
それなのに、本気出していないだけと言ってしまう。
なぜなんでしょうか。
いくつか理由は考えられますが、
己の自尊心を守ろうとしている事が
大きく影響しているのではないでしょうか。
自分という可能性を信じたい、
それでも現実を直視した場合に、
充分な結果が出ていなかったり、
満足できる進捗状況ではなかったとしたら?
そしてそれらの現実を受け入れる勇気がなかったら?
”強がり”を言わなければ、自尊心を守れないとしたら?
つい、言ってしまうのではないでしょうか。
「俺はまだ本気出していないだけ」と。
断言します。
今日本気を出せない人は、明日も本気を出せません。
今日は忙しかったから、今日はトラブルが多かったから、
だから充分な結果を出せなかった。
そんな言い訳を明日以降も続けてしまうのです。
大切なのは「本気出していないだけ」という言い訳をすることではなく、
次に繋がる対策を検討することです。
忙しい⇒出来ない⇒次はどうすれば出来る?
例えば
・効率的なタイムスケジュールに組みなおす
・簡略化できる業務を見つける
・業務分担を検討する
トラブル多い⇒出来ない⇒次はどうすれば出来る?
例えば
・トラブル未然防止の処置を予め取っておく
・トラブル発生フローを決めて動きやすくする
・トラブルの優先・緊急度を明確にしておく
言い訳なんて、必要ないんです。
成果を出すか、出せないか。
出せないなら、次上手くいくための方法を考える。
そしてそれを実行する。
全力で実行する。
本気を出すのは、明日でも、明後日でもなく
今日、いまこの瞬間です。
明日になれば明日が”今日”になります。
またその今日を本気でやりきるのです。
今という連続とした時間にどれだけ本気を注げるかどうか、
これが結果を出すにおいて非常に大きな要因となるのではないでしょうか。
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