突然ですが、あなたは片づけが得意ですか?
私は社会人になるまで、片づけや整理整頓に苦手意識を持っていました。
後で片付けよう、とりあえずここに置いておこうとおもっていたら、
いつの間にかモノで溢れたり、大事なモノがどこにいったか分からなくなったり
いつの間にか無法地帯になっている事もしばしばありました。
そんな片づけが苦手な私でしたが、社会人になり上司から片づけに関する考え方を教えて頂いたことがきっかけで、
片づけや整理整頓が得意分野へとなりました。
片づけや整理整頓に関するノウハウは多数ありますが、
今回は、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)
についてお話したいとおもいます。
どれも基本的なことですが、一度身に付けてしまえば、今後の生産性は確実に上がります。
それではいってみましょう。
まず初めに言葉の説明からですが、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)とは、それぞれの頭文字をとってまとめたもので、
おもに製造業で使われます。
整理と整頓って何が違うの?とおもわれるかもしれませんが、
意味は全く違います。
まとめると、以下のような内容になります。
整理. 「いるモノと不要なモノを分けて、不要なモノを捨てる」
整頓. 「モノの置き場を取りやすい位置に決めて、定位置管理をする」
清掃. 「汚れのない状態にする」
清潔. 「汚れのない状態を保つ」
躾. 「決められた5Sのルールを守ること」
■整理とは
「必要なモノと不要なモノを分別し、不要なモノを捨てる」ことです。
ここで重要なのは、不要なモノを見極めるポイントについてです。
面白そうだから買ったけどまだ読んでいない本、
年末セールで半額だから買ったけど着ていないアウター、
柄や質感が好きで集めすぎた食器類、
それらはあなたにとって本当に必要なモノでしょうか?
モノは使ってこそ役に立ちます。
不要なモノを見極めるためには、モノであなくあなたが主体になって考えることです。
せっかく手に入れたアイテム、
これを手に入れるのには大金払ったし、捨てるのがもったいない・・・
これはモノが主体の考え方です。
必要か必要で無いかは、今を基準に考えてみて下さい。
いつか使えるかではなく、いま使っているかという視点です。
「捨てる」という事が正しく出来るようになれば、
自分にとって何か必要なのか素早く判断できるようになります。
その結果、必要最低限のモノだけがあなたの周りに残ります。
この考えはモノを捨てることだけではなく、あらゆる行動にも応用できるおもいます。
捨てるという自分の視点を育てることによって、自分という軸もはっきりと見えてきます。
ぜひ「整理」は身に付いてほしいテクニックです。
■ 整頓とは
「モノの置き場を取りやすい位置に決めて、定位置管理をする」
医療系ドラマの手術シーンできっちりと医療器具が並べられた場面を想像してください。
整頓の目的は、徹底的に無駄を省くことです。
その無駄とは・・・モノを探す時間です。
皆さんも経験があるのではないでしょうか。
家や車のカギが無い、アクセサリーが無い、記入すべき書類が見つからない・・・
モノを探す時間は本当に煩わしいし、その探す時間は全く価値のない時間です。
時間も労力も無駄に使うなんて本当に勿体ない。
そんなことにならないために、つねにモノの置き場を決めることが重要となってきます。
そこにいけば、必ずそのモノがある。探す手間がはぶける。
これは集団でモノを共有する場合にも、特に大きな効果を発揮します。
個人が好き勝手にモノを移動させていたら、次に使う人が困りますよね。
またここのワンポイントとして、置き場を決めるだけではなく、表示を作成すると効果的です。
初見でパッと見たとき誰でも分かるようにすることが大切です。
ちなみに整頓の応用技として“3定”というものがあります。
3定とは、定位置、定量、定品の三つのことを指します。
決められた位置に(定位置)、決められたモノ(正品)を、決められた量(定量)だけ置く。
3定の大きなメリットとしては、在庫管理が容易になる点でしょうか。
例えば家庭などでも、トイレットペーパーが残り5個を切ったら買ってくるなど、
明確にルールを決めておけばトイレットペーパーを切らすことが無くなるかもしれませんね。
■ 清掃とは
「汚れのない状態にする」つまり掃除をしっかりしましょうという意味なんですが、
ポイントは、誰のために・何のために清掃を行うのか、正しく理解しているかどうかです。
例えば、設備の故障を防ぐために一週間に一度の清掃を行うとします。
目的が故障を防ぐためなので、どこを重点的に清掃する必要があるのか自ずと明確になります。
(※例えば、外装カバーのホコリ落としよりも、設備内にある駆動部分を重点的に清掃するなど)
ほかには、社内のトイレ清掃について。
自分達が使用するから綺麗にするだけではなく、社外の人に気持ちよく使ってもらう為に清掃をする。
こんな心構えで清掃に取り組めば、いつもより綺麗にする度合いや観点が変わってきます。
■ 清潔とは
「汚れのない状態を保つ」ことですが、これもいたってシンプルです。
汚れのひどい状態から綺麗な状態にすることよりも、
綺麗な状態を保つほうがよっぽど楽ですよね。
ここでのポイントとしては、清掃を行うタイミングを取り決めるなどして、
汚れのない状態が保てるような仕組みづくりを行いましょう。
■ 躾とは
「決められた5Sのルールを守ること」
これは組織のトップに立つ人が率先して実行することが重要です。
まずはリーダーが正しい行動を示す。
その行動を見て、部下は何が正しいのかを判断します。
5S自体は決して難しいことではありません。
取り組みだした時は一時的に効果を発揮するとおもいます。
難しいのはその取り組みを続けることです。
躾として各組織の人間に落とし込みをして、
組織の文化となるまで徹底させること。
最後になりましたが、
5Sとはただの片づけノウハウではありません。
片付いた環境であれば、ストレス無く業務に取り組める上にモノを探す手間も省けるので仕事の効率も上がります。
また、不要なモノに躓いて転ぶことになく、ケガの防止にもなります。
片づけるがしっかり出来る人は信用されるし、逆に片づけのできない人の評価は下がります。
5Sの行き届いた環境であれば、新しいアイディアも浮かびやすいと言われています。
5Sを特別な取り組みとして行うのではなく、業務の一環として当たり前に実行できるようになれば、
完璧に身に付いているといえます。
少し長くなってしまいましたが、今回は5Sについて説明をさせて頂きました。
いきなり全てやるのは大変という方は、まずは整理から取り組んでみてはどうでしょうか?
きっと良い変化が起きるでしょう。
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