【影響力の武器】知らないうちに騙される!売れ残りのルビーを売りさばく心理テクニックとは?

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こんにちは、aoiです。

最近読んでいる本で、影響力の武器というメチェクチャ面白い本があります。

心理学者ロバート・B・チャルディーニという人が書いた本で1985年に出版されました。今から約35年ほど前に書かれた本ですが、心理学という人間の普遍的なテーマを取り扱っており、いまなお読み継がれているベストセラーです。

内容としては、人が承認=YESといってしまうときの隠された6つの要因について詳しく解説しています。

とても一つの記事にまとめるにはボリュームがありすぎる内容となっていますので、今回はその中で特に印象的だったエピソードについて紹介したいとおもいます。



インディアン・ジュエリー店で起きた出来事

ある女性がアリゾナにインディアン・ジュエリーの店を開きました。そこである不思議な出来事がおきたのです。

彼女の店では、ターコイズ(別名トルコ石)という宝石がなかなか売れずに困っていました。

当時は観光シーズンで店内はお客で賑わっていたそうです。

この売れないターコイズですが、別に品質が悪かったというわけではありません。むしろ品質のわりに値段は低めにおさえられていました。本来ならお値打ちもので人気がでそうなのですが・・・それなのに何故か売れなかったのです。

そこで彼女はなんとかこの宝石を買ってもらう為に、

1.宝石を店舗の目立つ所に置いた

2.スタッフにオススメ品として売るよう指導

この2つの作戦を実行しましたが、やはり効果はありませんでした。

すっかり頭にきた彼女は、「この陳列ケースの品は全部価格を2/1にするように!」と殴り書きのメモをショップスタッフに渡して、宝石の買い付けの出張へと出かけてしまいました。

この時の彼女の心境は、多少損をしても良いからさっさと売りさばいてしまいたいというものでした。(ちょっとキレすぎちゃうんかと言いたくなりますが・・そこはさておき。。)

「多少損しても売れたら良いやろうが!」という腹づもりだった彼女。数日後、出張から帰って陳列ケースの商品が全て売りさばけていても、とくに驚くことはありませんでした。

しかしその後、彼女はとんでもない事実を知ることになります。

なんとショップスタッフは殴り書きのメモの2/1を「2」と読み間違えてしまったのです。つまり、二倍の価格で販売していたのですね。ありえねぇミスかよ!

それなのにターコイズはすべて売れてしまったのです!

これはいったいどういうことなのでしょうか。



固定的動作パターンが働いていた!

『影響力の武器』著者のチャルディーニ氏によると、この現状について以下のように説明していました。

動物には固定的動作タパーンと呼ばれるものがあります。

それは「こうすれば、こうする」という決められたタパーンのことです。

例えばラジカセの再生ボタンを押せば「カチッ」と鳴り、テープが動きだします。すると「サー」とテープが回り再生音が流れ始めます。

※チャルディーニ氏はこの「カチッ・サー」という表現を本書の中で繰り返し使っています。



ではインディアン・ジュエリーの店では、どのような固定的動作パターンが起きたのでしょうか?

答えはいたってシンプルでした。

お客の多くは裕福な観光客であり、そもそもターコイズについて正しい知識はありません。するとターコイズの価値について判断する材料は何か?

そう、価格です。

店に訪れた人は価格が高いもの=良いものという世間一般的な原理を用いて商品の判断をします。

すると高い商品は良いものであり、安く売られているものは良いものではない。つまり買うに値する商品ではないと判断します。

冒頭の説明であった通り、この店ではターコイズの価格設定は低めにされていました。

実際にはターコイズの品質が良かったにも関わらず、何故か売れなかった理由がここあります。

また、値段を上げることでターコイズが売れた理由もここにあります。

「良質な」宝石を探していた観光客は、価格が吊り上げられた宝石を見たとき、これこそ買うに値する宝石だ!と思い込んでしまったのです。アホみたいだけど本当の話です。


フローにまとめるとこうです。

客は宝石の品質的価値を知らない

客は宝石の良し悪しを価格のみで判断

宝石の価格が二倍で販売されていた

高いモノは良いモノだとおもう

宝石が売れる



同じ経験はありませんか?

どうでしたか、なぜ価格を上げたにもかかわらず宝石が売れたのか納得できたのではないでしょうか。

この出来事をみて、観光客の人達を「浅はかだなぁ」とおもうかもしれません。でも実際に私たちも似たような経験があったりしませんか?

・高級なチョコレートだから美味しい
・ブランドのセーターだから品質が良い

世間では値段が高い=良いモノであることが多い。

これが当たり前の常識では無いでしょうか。

当たり前の常識だからこそ、人は信じてしまうし、その当たり前の判断に身をゆだねることで「判断」がラクになります。実際この常識にしたがうことで間違うことは少なかったりします。

こうして固定的動作パターンと呼ばれるものが出来上がります。

でも、値段が高い=良いモノであるというロジックだけではありませんよね。

実際には安い価格で美味しいチョコレートは沢山ありますし、ユニクロで売られているカシミヤのセーターも高級ブランドに匹敵する品質だったりします。

ここで重要なのは、意思決定をするうえでの判断材料を”自動化しないこと”。よく思考停止とか言いますが、まさにそのことです。


なぜあなたはその商品を選ぶのでしょう?

「価格が高いから」

この理由だけでは、世間にだまされる可能性があります。

「価格」以外に商品を購入する「視点」を持ちましょう。


ちなみに「価格」以外で分かりやすいのは「オーガニック」という表現ですね。

オーガニックというだけで身体によいイメージが持ってしまいがちです。それで購入者の印象操作がされていたりするのですが、この話はまだ別の機会に。



物事において、判断する視点が多いほど、だまされることがなくなりますし、本当に納得して良い買い物ができるようになるはずです。

今回紹介した話以外にも、『影響力の武器』には面白いエピソードが沢山ありますので、また紹介していきたいとおもいます。最近読んだ本の中では一番面白いかも!

今日はここまで。最後まで読んで頂き、ありがとうございました!

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