1日24時間でどう生きるか考えたことはあるか?
こんにちは、aoiです。
今回はアーノルド・ベネット氏が書いた『自分の時間~1日24時間でどう生きるか』の要約と書評について、ついてざっくりお話していきたいとおもいます。
タイムマネジメント系の本は沢山ありますが、本書はおよそ100年前に書かれた”古典”ともいえる元祖タイムマネジメントの本になります。
「100年前に書かれたことなんて現代で通用するのかな・・」と思っていましたが、良い意味で予想を裏切られました。内容がかなり本質的で有益なことが書かれてあります。
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ページ数自体も170Pぐらいで、数時間もあれば読むことができますし、文体も読みやすかったです。すぐに実践できるノウハウも書かれていますし、「時間とどう向き合うべきか」といった本質的な内容も書かれていますので、繰り返し読む価値がある本だと感じました。
前置きはこれくらいにして、さっそく紹介していきましょう!
著者アーノルド・ベネット氏について
正直に言うと本書で知るまで聞いたことありませんでした・・笑
本書によると、アーノルド氏はイギリスを代表する作家で、20世紀英国小説の最高傑作といわれる『二人の女の物語』が代表作みたいです。また、自己啓発本も多数執筆しており、本書以外にも『自分を最高に生きる』という自己啓発本を出しているとの事。
この『二人の女の物語』が気になったのでアマゾンで調べてみましたが、見つかりませんでした。本当に20世紀英国小説の最高傑作なの?そんなに有名なら日本に翻訳されてんのじゃないのかい?と少し疑ってしまいましたが・・実際のところはよく分かりませんね・・。
それからしばらくしてamazonで二人の女の物語を見つけたので購入しました!が、ちょっと私には内容がハマらなかったです。少女二人の掛け合いをおっさんが書いているかとおもうと読むのが正直しんどかった・・・ごめんアーノルド。
アーノルド氏は多作な作家であったことでも有名で、執筆された中にはクオリティーに疑問視を抱かれるものもあったとか。プライベートはかなりの豪遊っぷりでそれを隠すそぶりも見せなかったことから、「アイツは金の為に作品を書いてやがるゥゥ!」とかかなりディスられることもあったそうです。
ただし、その辺りは参考文献とか調べてみないと分からないので、アーノルド氏について書くのはここまでにしておきましょう。(※上記内容は本書:「自分の時間~1日24時間でどう生きるか 訳者解説に書かれてあった事です)
本書:自分の時間について
本の内容を一言でまとめると、『自分の時間とどう向き合うべきか』について書かれた本です。
1章から12章まであります。各章のタイトルは以下の通り。
どうでしょう。どれか読んでみたいとおもえるような章はありましたか?どの章も簡潔にまとめられており、サクッと読めますよ。タイトルがやや抽象的なところもありますが、内容はすぐに実践的にノウハウ的なことも沢山書かれてありました。(例えば、思考を訓練する具体的な方法、1週間を6日で計画してみる、とか)
全ての章を解説するのはしんどいので、1章だけ少し詳しく書きますね。
1章『この考え方が1日1日に奇跡をもたらす』
この1章ではわずか9ページほどしかありませんが、時間に対する極めて本質的な内容が書かれてあります。ぶっちゃけ、この1章の内容をしっかりと頭に叩き込み、知恵として落とし込むことが出来たなら、それ以降の章は読む必要がないかも。それくらい重要なことが書いてあります。
ちなみに、章のタイトルに「この考え」とありますが、明確にコレですよ!とアーノルド氏は言っていません。なので、重要っぽいところを箇条書きにしてみました。それは以下の通り。
- 時間があれば金は稼げるが、金があっても時間は買えない
- あなたには沢山の空白の時間が与えられている
- あなたの財布にはまっさらな24時間がぎっしりと詰まっている
- 人生の全ては時間の利用の仕方次第で決まる
- 我々には今あるだけの時間しかなく、それはいつだって変わらない
はい、だいたいこんな感じです。
金があっても時間は買えないとアーノルド氏は言っていますが、これに関しては反論の余地があるかもしれませんね。
例えばバスよりも新幹線、新幹線よりも飛行機で移動したほうが早く目的地につくことができます。高いお金を支払うことで移動時間の短縮=時間を買うという発想を取ることが出来るかもしれません。
本書を読んだ気づき
ちなみに私が本書を読んでへぇ~とおもったのは、以下の内容です。
・仕事が終わった後にやりたいことをやる、出来ないのは甘えや今の働き方に問題がある
・仕事以外になにかやりたいとおもう人はある程度精神的に成熟した人達である
・スケジュール表で時間はつくれない、とりあえず行動しろ
・一日の始まりに財布の中に24時間がぎっしりと詰まっているという考え方を持つ
・幸福の定義について
仕事が終わった後でやりたいことが出来ないのは甘えという考え方は既に私自身ありましたが、甘えではなく「今の働き方に問題がある」という視点はあまりありませんでした。(ブラック企業的思考が染みついているのかも)
今の働き方について見直すというのも、自分のあるべきライフ・スタイルを実現するために必要なことなんだなぁ~と。。。まぁ当たり前なことですねw
アーノルド氏の時間の捉え方はとても面白かったです。よく「時間は有限だ、大切にしよう!」とか言われますが、なんだかんだでリアリティーが持てない人が多いとおもいます。
アーノルド氏は時間をお金だと認識しています。そしてその時間=お金は朝目覚めるとかならず財布の中にぎっしり詰まっています。その”お金”はあなたの為に用意されている。ただし、翌日に持ち越すことは出来ない。
こう認識すると、なるべくその”お金”を有意義に使おうとするようになるのではないでしょうか。
いわゆる、もったいない精神が働くからです。
スケジュール表で時間は作れねぇ!まずは行動しろ!という主張も、乱暴だなぁとおもいつつ、確かに一理あるなとおもいました。やる気が中途半端にしかない時ほど、とりあえず計画を練るところからやってしまいますが、そうして作った計画って大抵忘れ去られがちじゃないですか?
たぶん実際に身体を動かす=行動するよりも、頭の中で計画を立てる=妄想するほうが楽チンなんですよね。で、けっきょく楽な方に流れたままだから続かない。最悪の場合、計画だけ立てて、実行しない。ヒトって横着な生き物なんだよなぁ。。
時間と関係無いようにおもわれるかもしれませんが、アーノルド氏が『幸福』について定義しているところもかなり印象的でした。それは以下の通り。
「幸福とは、肉体的、精神的快楽を得ることにあるのではなく、理性を豊かにし、自らの生活信条にかなった生き方をするところにある」
どうですか、メチャクチャカッコよくないですか。この一文に出会えただけで、正直この本を読んだ価値はあったと感じました。
本書を読んだ満足度が高い理由
本書は小手先だけのテクニックを集めたタイムマネジメントのビジネス本ではありません。『人生をどう生きるべきか、その為にはどう時間と向き合っていくか』というった主題をベースに『時間』について書かれているので、読了後の満足感が高く感じられるのではないでしょうか。
また、アーノルド氏が読者へ向けて呼びかけるように文章を書いているのも印象的でした、読者のことを理解しつつも、『それよりもこうあるべきでは?』とより良き選択肢を提示してくれています。だからこそ、著者と読者の間で見えない壁が無くなり、アーノルド氏の主張がスッと懐に落ちてきやすいのかなぁとおもいました。
まとめ
本書は今までタイムマネジメント系の本を読んだことが無い人には勿論オススメです。一方で何冊か読んだことがある人にも、あたらめて「時間とどう向き合うか」を考える良いきっかけとなりますので、自信をもってオススメできるかなぁとおもいます。
以上、ここまで読んで頂きありがとうございました!
1章:この考えが1日1日に奇跡をもたらす
2章:もっと知的好奇心に満ちた生活をつくろう!
3章:1日24時間の枠を最大限に生かすには?
4章:自分の精神、肉体を養うための「内なる1日」
5章:週3回の夜90分が、あなたの心を豊かにする
6章:情熱と活気に満ちた1週間をつくる秘訣
7章:思考を集中するひとときをもつ
8章:内省的な気分を大切にする
9章:知的エネルギーはどうやって生まれてくるか
10章:原因と結果の法則を手に入れる
11章:読書好きなあなたへ
12章:財布にはまっさらな24時間がぎっしりと詰まっている